
最近、コクゾウムシについて、ある発見をしました。
お米を保存していると、ほぼ例外なくコクゾウムシが発生します。
コクゾウムシは、カブトムシのオスを細長くして、体長を米粒より小さくしたようなものですが、たぶん、鼻の長いゾウムシの仲間です。あえて言うまでもなくコクとは穀物のコクでしょう。
なぜ、発生するのか、それは、どうしてもお米の中にはコクゾウムシの卵が紛れ込んでしまうらしいのです。(答えになっていませんが)
特に夏場に長い期間放置しておくと、米びつの中はコクゾウムシだらけになってしまいます。
米びつを左右にゆすってみると、彼らはお米の表面に出てきて、米びつを上って脱走しようと試みます。
しかし、垂直面を上るのはアリのようには得意でないらしく、よく落ちて、再び米の下のほうにもぐったりします。
わたしは指でつまんで、排水口に流すか、ガムテープに貼り付けて退治します。
しかし、ほとんどとり終えたと思っても、翌日には再び大勢現れてきます。
仕方なくまた同じように米びつをゆすって駆除にかかるのです。
「一日でこんなにも増えるのはどうしてなのだろう。」
「コクゾウムシが発生したお米を洗うと水に浮く米が多いのはなぜだろう。」
という、多くの方の疑問が聞こえてきそうです。
わたしはその疑問を解決しました。それがこの写真です。
接写できないカメラで撮ったので、ピンぼけになってしまいました。(VAIO
C1 についている接写が得意なカメラで撮るべきだったのですが、立ち上がりが遅く、電源を入れて待っている間にも写真右のコクゾウが逃げてしまうので普通のデジカメで撮影しました。)
どれが答えのヒントかと申しますと、それは写真左の米粒にあります。
粒の下のほうが白いのは、フラッシュの反射ではありません。白くなってしまったのです。水に浮く米粒が白く濁っているのと同じです。
その米粒の上半分が黒っぽいのに注目してください。
某社の、中にチョコレートが入った乳白色のキャンディー(画像資料なし)のようではありませんか?
このチョコレートのようなもの、これがコクゾウムシです。
米粒の中に彼らは住んでいるのです。だから、翌日増えたと思っていたのは、ただ米粒から新しい虫がでてきただけだったのです。
彼らが出てきた米粒を見ると、それはコロンブスの卵に失敗して中身が出てしまった鶏卵の殻のように、表層だけ残って、少し口が開いたようになっています。中はからっぽです。それが、水に浮く原因です。
彼らは、酒米でいえば吟醸酒になる部分、米粒の中のほうだけを食べて成長しているわけです。なんと贅沢なことでしょう。
ですから、米びつからコクゾウムシを駆除しようとされる方は、歩いているムシだけでなく、ライク ア チョコレートキャンディーも探して潰してみましょう。きっと若いムシを見ることができるでしょう。
