
バリ島ときいてイメージすること、それは、青い空、青い海、白い砂浜、そのまま海に続くかのようなホテルのプール、キャノピー付のベッド、それに原色のオウム、レゲエ。カリブ海にうかんでいるときいてもどこも不思議ではない。とにかく、ビーチリゾート。というだけで、その他の知識は何もなかった。
るるぶとか、マップルマガジンのバリ島を買ったが、やはり、イメージからさほど遠くない、楽園のような様子だった。
加えて、ブランドショップもあるし、インド洋のパワーのある波もある。
インドネシアは内乱があって、少し日本人観光客は減っているらしいし、おかげでツアー料金も下がっている。選択に間違いはなかった。
しばらくして、旅行会社から、日程表が届いた。ホテルは、Adhi Dharma アディドハルマ。とある。
持っていたガイドブックにはそんな無名のホテルが載っていなかったので、自由旅行の強い味方、地球の歩き方を立ち読みしようと思って本屋にでかけた。
ホテルは載っていなかった。ところが、一気にわたしを不安に陥れる情報をたくさん見つけてしまった。
黒魔術にかけられたとか、マジックマッシュルームを食べて発狂したようになったとか、高級ホテルでものぞきにあうとか、ひったくりや詐欺に注意しろとか、そんなことばかり書いてある。ただでさえブルーになっている彼女にこんなもの見せられるわけないし、わたしも彼女を守れるかどうか、不安になった。
必死でバリのいいところを探しまくった。が、インパクトに欠けていた。